「Lost Memory」プレイ後感想


 うん、おもしれえ。素直に面白いんだが如何せんツクールものだし更に言えば95バージョンなので質が落ちるのはどうしようもないことかと言える。その良質とは言えないまでも多くのプレイヤーを慟哭させたChild-Dream。サウンド、シナリオは明らかに抜けているだろう。サントラなんか最高じゃないのかな、と思うほどで。

 取りあえずあらすじを主人公はクロービス。数年前に死亡した父親の遺した「Lost Memory」と題された楽譜。その真意は。エルバールで剣士を目指す反面その真意を探ることに。第一部は2人を仲間にした時点のいいところで終わってしまう。あとはシェアで1000円かかるわけだが個人的にその価値は十分だったと思う。1000円でここまでプレイできたわけで。あーもうこりゃあ十分かな、と。

 クロービスと共に行動する事になるのはまずカイン。カインの強気なところはなかなかいいんじゃないか。だからこそ第二部でのあれはショッキングではあるのだが。エルバールの王女フロリアに忠実。その真意は。そしてバース鉱山で働いていた父を持つウィロー。彼女は小さいときにわずかに父にあっただけに過ぎない。そんな状況下の中2人に出会い旅をする。

 シナリオ性。ファンタジーではない。全然違う。あーもうこれは正当派のRPGかなと。まずは主人公の追体験現象。それとデジャヴ、だ。追体験については計り知れない部分もあるので公式サイトを見てくれるといいだろう。クロービスの存在がこのゲームを左右するようなものでプレイヤーにヒントも与えかねない。デジャヴは夢の中が多い。そう言えば一番最初の伏線も結局、と思ったら。というミステリー性もある。第二部からは急転することもあり第一部ですんなりいけるかと思ったのが甘かった。まあそれは「永劫たる振り子」でも出てきてる面ではあるが。

 その心理学に加えて応用されているのが環境問題。これはこのゲームをプレイするにあたって避けられない。剣士団長パーシバルは何を思った?それも最後にぐっと響いてくる。なんだかんだ重苦しいテーマのように思えるがゲームじゃない。戦闘を楽しもうと思っている方は序盤はあんまり面白くないかも知れない。それこそ第二部では伝説のドラゴンやら刺客やらと色々戦闘もあるわけだが。

 最後最後と言ってきたが終わり方が上手に噛み合ってる。そんなことがあったのかい。と。一本とられて感じがしてならないが信じて止まない気持ちをいうのはカインよろしく大事なことかも知れない、とでも。

 ピアノ曲「Lost Memory」はあのALPのAIさんが提供している。この曲からこのゲーム、そしてChild-Dreamは始まった、とどこかで聞いたような気もするんだがそれはうなずける。色んな人に色んな感想を抱かせるなめらかなバラード。クロービスは、ウィローは。そして父親のサミルは一体何を思った?

 エンディングがやや物足りないかな、とでも。終わり方自体は心理学を交わせてきたり。それでも納得。だからこそ納得。そのあたりは京極堂の叙述というわけじゃないんだがそこまで凝ってもいないが素人にはできないだろうなあ、という完成度はある。

 本作はツクール2000で「21世紀版 Lost Memory」として完全リメイクされている。プロローグ部分だけプレイしたが全然違う様子。こちらはちと高いのでまだ敬遠しているが受験も終わって一息ついたらプレイするかも知れない。なんと言ってもシナリオとサウンドが素晴らしい。また出会いたい。


written 2004/8/24

リンク
公式サイト「Child-Dream
攻略サイト「
パソコンゲーマーの憂鬱
AI氏のサイト「
月夜のピアノ

 

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