見上げた光
たとえば かくれんぼのように
もう いいかい?
まだですよ
得意げに逃げ込んだ お気に入りの場所
満面の笑みで 潜り込んだ闇に
まだ 気付いていなかった
刻む時計は いつの間にか 止まっていて
外はもう 何の声も 響かない
おそる おそる 手を伸ばす
掴めたのは 確かな 冷たさ
待っていた ずっと ずっと
みぃつけた と
明るい みんなの声と あたたかい 手
ふれあう時を 今でも 夢見て
声を出したら 見つかってしまうから 口を 塞ぐ
本当は ただ 怖かっただけだ
勇敢になったつもりの 大きな嘘
藻掻いた指には 無数の傷跡
泣き出しそうになって また強く 塞いだ
ねぇ 今は 何時だい?
囁くように 絞り出すように 意志を込めた
声
次は 叫ぼう
此処に いるんだよ と
全身で 強く 強く
助けてくれ! じゃなく 啜り泣き でもなく
此処に 居るんだよ って