cherry blossoms signal


あの頃より 大きくなったかな





まだ桜前線は この街に辿り着かなくて


あなたは 残念そうに 笑った


あたしは 桜が咲かなくてよかった と


声は出さずに ただ 曖昧に相打ちをしてた


でもあたしの瞼の上は 桜色 で 踊ってる






あなたの行く場所に あたしは居なくて


ふたりで見つめる景色も 何も ないんだろう


あなたの行く場所を あたしは訪れた事がなくて


共有出来る 想い出も なくなるの





いつも通りの口調が 悔しかったから


あたしはいつも以上に 大きな声で笑った


それを見て苦笑いする あなた


それを見つけるたび 胸が ジリリ 焦げて





南風が 少し開いた 隙間 駆け抜けて


悲しくて 哀しくて


思わず あなたの袖 握ろうとしたのに


あなたは 前を 進んでいったの 希望が映る目をして






明日も 明後日も 好きだ なんて


言える自信などどこにもなくて     まして


受け容れる程の 大きさも なかったから





「好きなのに 好きなのに」


呟いては 子供染みてる と 吹き飛ばして葛藤




「ねぇ もう 我が侭なんて 言わないから 傍に居て?」




史上最大級の我が侭を


あなたにぶつける日は もう 







あなたが行った 次の日


桜は あたしに あなたの残り香を 運んできました


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