30秒間スローモーション


あの日はたしか 2月14日




白い階段駆け上り ほっと歩き出す

きっとありふれた 朝の場面

ふっと見つける影 こっち向いてた気がして

そんな自惚れに酔っては 馬鹿みたいと 自分 罵った

信じちゃいけないこと 一番知ってるくせに




ちょっと小さめな身長に 似合わない大きな足音で

近づいてること 知ってたけど 無視してみた 

瞬間

叫ばれるあだ名 振り返るあたしめがけて




少し早めに 弧を描く シルバーの贈り物

反射的に動く体 手の中には 小さなグレープガム一つ

ぱっと顔上げれば やけに素直な その笑顔








教えて欲しい 出来ることなら

あの日 あの時の 笑顔の意味も 行動のワケも

未だにあたしを 揺さぶり続け

それだけで 占領される 頭も心も




いつもの 意地悪じゃない あいつの優しい笑みは

心を掴んで 離してくれない




あの日のガム 食べたのかさえ 覚えてないけど

幸せだっただろう あの瞬間に




まだ まだ 恋焦がれてる


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