優しい風


蝉の声 吹き抜けるは 風のいたずら



寝そべり天井 真っ白 見つめる度

泣きたくなるのは なぜなのか

思わず 腕 目に押し当てて

嗚咽 噛み殺し 静かに そう静かに



流れる涙 拭おうともせず

ただ ぽろぽろ ぽろぽろ

生暖かい風 あたしの髪 撫でながら

まるで 囁くように 体に残る 感触




時間は過ぎる 足早とも 酷くのろのろとも

今ぐらいは どうかゆっくり過ぎてほしい

でなければ 立ち上がれない

視線の先の緑には 輝く赤

まるで二つは あたりまえかのように

ただ 見つめてた




ぽろぽろ ぽろぽろ

また 風が あたしを包み

汗ばむ肌を そっと 乾かす

涙も 乾いてしまえばいいのに

泣いた 子供のようじゃないけれど

新しい風が 吹くこと信じて



優しい風の出来事は

あたしだけが 知っていること


Back