リズム


綻んだ日常を見つけた


はだかの
あのひとの左胸に


私の形の悪い耳を重ねた時に



あのひとの心臓は
すごくゆっくりとくとく鳴って


それは間違いのないテンポで刻んでいて


それは明らかな正だった





やがてそのひとは浅い呼吸を正しくはいて
やわらかい眠りに落ちていって


私はその心臓の音と呼吸の音を聞いている
そんな夜がとてもいとおしくて




あのひとの耳に口を寄せた





なにもかもがすべて溶けて
私と一つになればいいのにと思った






少し歯並びの悪い口元をむすんで
しかめ面で呼吸するこのひと





このひとの正が
私をも正にしてくれればいいのにと


胸に頬をよせながら
くだらないことばかりを考えていた






そんな暑い日の、不完全な夜


Writer's Comment

正しく刻む8ビート

それがあの人と同じはやさだったなら

それだけで生きていけるのに


という詩



2006/8/25

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