あたたかかったもの


間違いしか生み出すことができない私は

やさしいだけのきみを
拒むことができなかった

甘い記憶だけたどって
たどりついた先に

きみすらいなくなってしまったことに気がついて

私は小さな息をはいて
左の手を見つめていたよ


真夜中近く
タバコ臭いきみの指先に触れて


ただそれだけで
泣きそうなくらい幸せだったことが


嘘みたいに思い出されるんだ


たとえば
たとえばさ


きみがくれた言葉ぜんぶ
きみがくれた思いぜんぶ


幻や嘘であったなら


私は今以上に
穏やかに笑えるはずなのに

それなのに



それなのにね?


Back