君が欲しがった嘘


一つだけ君に嘘をついた


小さい公園の
冷えきったベンチで
二人で白い息吐いて
『寒いね』って言い合って
当たり前に笑った

私はずっと
私より高い位置にある膝
見つめてた


君の横顔は黄金色の月に照らされて
いつもより透明な薄いあご
いつもより穏やかな目線と呼吸


君は言った
『俺ら親友だよな』
屈託のない笑い顔で
私に問い掛けた


私は君に嘘をついた


ひどく苦しい嘘をついた

『もちろん親友に決まってるでしょ』
笑って言った



私は嘘をついた

取り消せない嘘をついた



本当は君が
死ぬほど好き


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