海溝
いつか連れてくよと、あなたは微笑んだ
あなたの目の奥にあった海の青に憧れて
私は海に行きたいとねだった
いつかな、とあなたは笑う
あなたは中に、海をもっているから
行く必要もないでしょう
けれど、私があなたと釣り合うには
海の青が必要だった
じゃないと乾いてしまうもの
なのにあなたは笑う
『いつか、俺の生まれた町の海へ連れていくよ』
ちっとも思ってないくせに
咄嗟に終わりを悟った
乾いた私
私はあなたの海に溺れたかった
そう、あなたと一つになりたかった
あなたの海に