コンパス


走り去る君の足音だけ
やたら鮮明に覚えている

手をつないだことも
頬よせて眠ったことも
もう曖昧なのにね

君はいつも私を笑わせてくれた
帰りぎわ、悲しそうな顔をすると
私の裏側を、自然に読み取ろうとしてくれた

君の足音は早くなっていく
いつか、私が追い付けないとこにいく

当たり前だ

かわらないものはない

私と君では、歩幅が違いすぎるから

遠ざかる君の足音だけ

せめて、それだけでも刻もうって



思ったんだっけ


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