春色手紙


君から一度、与えられた


ひどくいいかげんな
ひどく優しかった


あのキスを


私は今、まだ
引きずっているみたいです


春になると、思い出すのです
暖かい木漏れ日のなかで



ほんの少しまどろみながら
ほんの少し笑いながら


語り合った夢の話を


私は、まだ
忘れられないようです




あれから何度の春が巡ったでしょうか



あのキスもぬくもりも


まだ、鮮明に思い出せるのです


進歩の無い女だと、笑われるでしょうか



あの、嘘のような別れが
私を子供のまま


春に閉じ込めたのです




願わくは、貴方が




この手紙を読んでいますように―


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