残り香


必死に、自分自身を抱きしめていた。

今日のあなたの香水。
私の洋服に染み付いていた。

あぁ、香りって何よりもその人を思い出させるのね?

ついさっきまで抱きしめてくれていたあなた。

目を閉じていたら、まだあなたが側にいるようで。

けれど、目をあけたら。

誰も、いなくて。

どうしたらいいか、わからない。
イミフメイな感情。

悲しくもないのに、涙が止まらなくて。

自分を抱きしめながら、ひたすら泣いていた。

あなたの香り。

必死で抱きしめていた。

この涙は、しばらく流しておこう。







あなたの香りが消えるまで。


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