五月雨


あの時の雨の音、あなたは覚えてるでしょうか。
なんだかやたらと柔らかくて、ふわふわしていたあの雨。
私のお気に入りのピンクの傘。
二人でさした帰り道。
あなた、恥ずかしそうにしてたわね。

そういえばあなたは傘をさすのが苦手だったっけ。
どうしても肩がぬれちゃうって、嘆いてたわね。

そんなあなたを見るのが楽しかった。
だから雨の日は好きだったの。

隣にあなた。
ピンク色の傘。
とても暖かかった。

けど。
今は、となりは空っぽ。
手に残ってるのはピンクの傘だけ。
なんでだろう。
とても寒いわ。


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