Alone Together


 最初は平凡に始まったし、そんなにのめり込む気配はなかったのだが、中盤から面白くなり、結局一日で読み干した。

 柳瀬は不登校や問題のあった生徒を集めた学校のアルバイト教師。以前医大にいた頃の教授が、患者を殺してしまったと告げる。そして、何故かその娘の「サクラ」の力になるように、とだけ告げた。それから出没し始めた自称フリーライター。そして教授は捕まってしまう。

 どんよりとした雰囲気しかなかった前半。個性豊かな登場人物、「ミカ」が引っ張っていく後半。後半でミカが盛り返してくれなかったら良作にはならない。最後、結局柳瀬との関係が終わってしまったのが勿体ない気もするが、そこは巻き返してきている。しかし中途半端な気は隠せないが。

 登場人物は誰もが暗い過去を抱えている。サクラも当然母親を殺されたのだから、その一人である。父からも見放されてしまったサクラ。ミカというのも過去に補導歴が2回あるのだが、面倒見がよく、憎めないキャラである。サクラに対しても、柳瀬よりはおそらく心配していただろう。結局はサクラの母親殺しがミステリーとなっているのだが、読後感はなかなか爽快であった。ラストは教会から心地よい賛美歌が聞こえてきそうな雰囲気。ストーリー自体の終わり方が秀逸で、本多らしいかな。

 エピローグで事後処理も行っているが、謎な人物はまだいる。しかし、謎は謎のままのほうがいいのだろうか、と思うと納得してしまう。まあ、作家の勝利かな、と。


2004/2/1

長編

初版発行
2000/9(双葉社)
2002/10(双葉文庫)
2013/2(角川文庫)

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